【学生・社会人 必読‼】問題解決ステップ①「問題定義」
今回は、以下の問題解決ステップ全体像の第一段階である「問題定義」に焦点を当てて説明していきます。
今回の解説対象となるステップ
- 問題定義 (Problem Definition)
- 本来あるべき姿と現状のギャップを定義します。
問題定義が具体性に欠けたり広範な場合は、問題の絞り込みを行います。
- 問題分析・解析 (Analysis)
- 数値化によって各観点から事実を捉え分析します。
分析を踏まえ問題の発生原因の究明・検証などで解析を行います。
- 対策 (Actions)
- 問題解決のための課題を定め、それぞれに対しての対策を立案します。
課題や対策に対して優先度の評価をし、各対策のGo/NoGoの決定をします。
各対策案実施の評価方法と目標を定めます。
- 効果の把握 (Measure)
- 各対策案の実施前と実施後の効果を把握します。
目標達成か否かを判定します。(達成→再発防止へ、否→問題分析・解析へ戻る)
- 再発防止・レビュー (Solutions/Review)
- 再発防止のための歯止めを行います。
問題定義
より明確に! より詳細に! 事実か?
最初のステップは「問題定義」です。
以下の説明は、「問題」とは何か?「課題」とは何か? 「問題」と「課題」の違いは何か? についての理解を前提としています。これらについての明確な認識が不足している場合は別記事(【学生・社会人 必読‼】知っておこう「問題」と「課題」について )のご一読を推奨します。
「本来あるべき姿」と「現状」
「問題」とは、ご存じの通り「本来あるべき姿」と「現状」のギャップのことです。
以下に問題の例を2,3あげてみたいと思います。
「真の問題」の洗い出し
問題解決のために、まず問題を明らかにしましたが、上の問題例は3例ともに問題の範囲が広く、具体的な課題や対策を考える場合、あまりにも多くの観点を考慮する必要が出てきます。
そこで、問題点をいろいろな観点の要素から情報を集め、事実をもとに問題の絞り込みを行います。
このステップは、次の大きなステップである「問題分析・解析」と実作業内容は大差ない内容になりますが、以下のようにステップの目的が違います。
- 「真の問題」の洗い出しのステップ
→ 問題の絞り込みが目的 - 問題分析・解析のステップ
→ 原因の追究が目的
さて、では「真の問題」の洗い出しのステップとして、実際のアクションとしてはどのようにして問題の絞り込みを行うのでしょうか?
ここでは、数多い手法の中でもわかり易く効果の期待できる手法や考え方を紹介しておきます。インターネット上には問題の洗い出しや整理方法に関する情報は多いので、ご自分で検索してみるのもためになると思います。下に紹介する内容に関しては別途記事作成の上リンクしていきたいと思います。
「真の問題」の洗い出し および 問題分析・解析 のための基本的な手法・考え方
- MESE(ミーシーもしくはミッシー)
「漏れなくダブりなく」の考え方。
見逃しやすい部分や避けて通りたい部分も見逃すことなく、かつ、効率的で混乱も防ぐための物の考え方です。 - 他責ではなく自責思考で物事を捉える
簡単に言うと問題の原因を他人のせいにする傾向のある考え方を「他責思考」、自分に原因が潜んでいるのではという思いを前提にする考え方が「自責思考」です。他人をコントロールすることは困難ですが、自分のことであればコントロール可能なため、自責思考で捉えた方が対策しやすいというメリットが生まれます。 - 6W2H
Who(誰が)、What(何を)、When(いつ)、Where(どこで)、Why(なぜ)、How(どのように)の5W1HにWhom(誰に)とHow much(いくらで)を加えた捉え方。事象を6W2Hで捉えることで、見える化し、関係する情報の幅を広げるための方法です。 - なぜなぜ分析
問題について、なぜその問題が起きたのかについて「なぜ?」を繰り返し問いかけて問題を深堀し、問題を絞り込んだり根本原因の要素を追求するための方法です。 - ブレーンストーミング
数名の会議などで、他人の思考などの助けを借りながらグループ全体でのアイデアや想定の幅を広げるための方法です。テーマに対して一人ずつアイデアを出していきますが、他人の出した内容にはネガティブなコメントはせず多くのアイデアを出します。他人のアイデアを聞くことでの新たな気づきが期待される効果です。アイデアを出し切った段階で、出たアイデアを分類しまとめるのが一般的です。
注意事項
「真の問題」の洗い出しや問題分析・解析で使用する情報に嘘があってはいけません。また、人の「意見」や「感想」、「想像」、「推測」、「第3者から伝え聞いたこと」などを「事実」として扱ってはいけません。これらが「事実」かどうかを見極めるための追加情報(裏どり情報)が必要になります。追加情報で「事実」と認定されるまでは、「~というのが○○さんの意見である」や「××さんからは~と伝え聞いた」というのが事実であって「~」にあたる部分はまだ事実ではないことに十分注意してください。
「真の問題」の洗い出しや問題分析・解析で使用する情報は「事実」のみ扱うのが原則です。
解決すべき問題の定義
前のステップで絞り込まれた注目すべき本質的な問題点を「真の問題」と呼びます。「真の問題」は具体的で簡単な文章で表現するのが一般的で、この内容がまさに解決すべき問題となります。
前述の例1から例3について「真の問題」の例を記述してみました。(絞り込みの途中経過は例示していません)
まとめ
問題定義のステップについてイメージ出来たでしょうか?
次は「問題分析・解析」(Analysis)についてとなります。
以上