【学生・社会人 必読‼】問題解決ステップ③「対策」

問題解決ステップ 対策

今回は、以下の問題解決ステップ全体像の第三段階である「対策」に焦点を当てて説明していきます。

問題定義 (Problem Definition)
本来あるべき姿と現状のギャップを定義します。
問題定義が具体性に欠けたり広範な場合は、問題の絞り込みを行います。
report-document
問題分析・解析 (Analysis)
数値化によって各観点から事実を捉え分析します。
分析を踏まえ問題の発生原因の究明・検証などで解析を行います。
data-analysis

今回の解説対象となるステップ

対策 (Actions)
問題解決のための課題を定め、それぞれに対しての対策を立案します。
課題や対策に対して優先度の評価をし、各対策のGo/NoGoの決定をします。
各対策案実施の評価方法と目標を定めます。
idea
効果の把握 (Measure)
各対策案の実施前と実施後の効果を把握します。
目標達成か否かを判定します。(達成→再発防止へ、否→問題分析・解析へ戻る)
Consulting Action
再発防止・レビュー (Solutions/Review)
再発防止のための歯止めを行います。
checksheet

対策

ねらいを明確に! 責任者を明確に!

前の「問題分析・解析」ステップで最終的に決定された優先課題に対して具体的に行動すべきこととして対策を策定します。


このステップは、皆さんが蓄積されてきた経験やノウハウ、知恵、論理などをいかんなく発揮する場となります。先が見えてきている段階ですので問題解決に向けて一気に加速しましょう。

ここでも、前のステップ解説記事からの流れで例1を使用して解説していきますが、前解説記事までの例1の流れは以下となっていました。

例1 (経営者の場合)

本来のあるべき姿: 
決算上の経常利益が黒字となる。

現状: 
決算上の経常利益が赤字となった。

問題: 
決算上の経常利益が黒字であるべきであったが赤字となった。

真の問題(解決すべき問題): 
経費は予算内であったが、競合他社が売れ筋商品Aへの対抗商品をリリースしたため商品Aの売り上げが目標の25%減となり、それが原因で全社での売上高が目標の7%減となった。そのために決算上の経常利益は赤字となった。

分析内容:
競合商品と当社商品Aの比較分析

 比較情報当社商品A比較優位性競合製品 
商品機能両者同じ両者同じ
商品仕様両者同じ両者同じ
商品価格¥〇〇〇〇〇¥〇〇〇〇〇×0.95
(キャンペーン価格)
商品の市場シェア約60%約15%
広告投資金額¥△△△△△推定¥△△△△△×1.2
顧客評価(価格)
顧客評価(商品認知度)
 

解析・想定原因:
当社より5%安いキャンペーン価格とネットや店頭での新製品キャンペーン広告による訴求により、当社商品Aの顧客が競合商品へシフトした。

想定原因の裏付け:
顧客評価の調査内容より
顧客評価(価格)    → 競合商品の方が高評価
顧客評価(商品認知度) → 競合商品の方が高評価

原因:
競合他社がリリースした当社売れ筋商品Aへの対抗商品の、当社商品Aより5%安いキャンペーン価格設定とキャンペーン広告での訴求。

優先的な課題リスト:

課題項目緊急度 重要度 実現性 期待効果 費用 総合評価
商品Aの価格を下げる〇〇〇〇○○
販路拡大○○
販促キャンペーン
商品Aの訴求広告の展開〇〇〇〇
 

上記に加えて、課題の優先度評価の段階で得ていた前提情報から以下が判っていたものとして流れを進めます。

  • 当社には既に運用しているインターネット販売サイトがあり利用可能であること。
    つまり、ほとんど費用はかけずに販路拡大が可能であること。
    更には、ほとんど費用をかけずに同販路ではキャンペーンも可能であること。
  • ネット販売の販路では既にSNSなどでの訴求・集客ノウハウがあること。
  • ネット販売は店舗販売より営業経費が少なくて済むこと。
  • 店舗とネットの販売数比率を2:1に出来れば5%値下げでも利益確保可能。
  • 店舗販売数を現状維持し、ネット販売比率を2:1以上にすればシェア60%可能。

目標設定

このステップで、まずは「明確」で「到達可能」な目標を設定します。

純粋な「問題解決」のステップを踏むということであれば、目標は「本来あるべき姿」です。
ただし、資源や前提条件などから「本来あるべき姿」へ完全に戻ることが難しい場合もあり、その場合は問題解決のための第一段階として低めの目標設定をし、その後PDCAを継続的に回すということもあり得るかと思います。

逆に、当初問題設定した際の「本来あるべき姿」以上にしようとする場合もありますが、この場合は元々の「問題解決」と「戦略的な課題克服」の両者が混在していることを理解してください。これを理解しないで「本来あるべき姿」以上の目標設定をすることは避けるべきです。

例1では決算で経常利益が黒字になること、でしたね。通常はこれが目標設定となります。
例2では月商200万円以上、例3では次回模試での志望校合格判定A(もしくは志望校受験で合格となる)が通常の目標設定となります。

目標設定の重要ポイント

  • 問題解決における対策の目標設定は「本来あるべき姿」とするのが原則である。
  • 資源の制約や前提条件などから全ての優先課題に対策できない場合はその旨関係者には明らかにしておき、目標設定しておく重要となる。
  • 「問題解決」と「戦略的な課題克服」の両者が混在している場合も、同様にその旨関係者には明らかにしておき、目標設定しておく重要となる。

例1の場合について以下のように目標設定してみました。
この設定は、「本来あるべき姿」を目標に設定した例となります。

例1(経営者の場合)の目標設定例

  • 対策後3か月目の月次損益計算での経常利益が黒字となる

対策立案と想定効果

次に、具体的な対策と、各対策によって何を狙うのか、どういった効果を想定しているのかを明確にします。想定効果を明らかにしておかないと次のステップである「効果の把握」があいまいになってしまいます。

例1を使って、対策と想定効果のサンプルを作成してみました。

例1(経営者の場合)の対策例

  • 商品Aに5%引きのキャンペーン価格を設定する。
    (責任者 Aさん、 3月2日まで)
     → 競合との価格差を排除する
  • 仕入れと物流を確認する。
    (責任者 Bさん、 3月2日まで)
     → ネット販売後の販路の品質を維持する
  • ネット販売サイトに商品Aを掲載する。
    (責任者 Cさん、 3月4日まで)
     → 3か月後の店舗とネットの販売数比率を2:1にする
  • ネット販売サイトにキャンペーンの告知とSNSでの訴求を開始する。
    (責任者 Dさん、 3月4日まで)
     → 3か月後の店舗とネットの販売数比率を2:1にする

実際には、これをさらにブレークダウンした実施計画になると思いますが、ここでは割愛したいと思います。

このステップで重要なポイントは課題を克服できる対策であること、責任者が決まって周知されていること、実施期限が決まっていることです。対策ではこれらのポイントだけは押さえるようにしましょう。

対策の重要ポイント

  • 各課題を克服できるよう立案された対策であること
  • 責任者が決まっていて周知されていること
  • 実施期限が決まっていること

効果測定方法

効果測定は、「問題定義」と「問題分析・解析」でたどった内容を基本は逆順でたどっていきます。つまり、対策前後で同じ条件・同じ特性で測定することが重要です。

ここまでのステップで「真の問題」(解決すべき問題)定義や問題分析・解析が詳細であればあるほど、逆順で効果を把握する段階は多くなりますが、最後のレビューのステップや問題解決に至らなかった場合のさらなる分析・解析には必要となるため全て把握することをお勧めしますが、効率とのトレードオフになりますので、最低限、第三者にとってストーリーが成り立つ範囲での測定の割愛は許容範囲と考えます。

例1での効果測定方法は、以下が考えられます。

例1 (経営者の場合)の効果測定方法例

  • 分析ステップで行った「比較分析」表を対策実施後も検証する
  • 対策後3か月程度の商品A売上高と販売個数、利益率を店舗販売とネット販売別に把握する
  • 対策後3か月程度の月次損益計算での経常利益を把握する

まとめ

対策のステップについてイメージ出来たでしょうか?

次は「効果の把握」(Measure)についてとなります。

以上