【学生・社会人 必読‼】問題解決ステップ⑤「再発防止・レビュー」

問題解決ステップ 再発防止 レビュー

はじめに

今回は、以下の問題解決ステップ全体像の第五段階(最終ステップ)である「再発防止・レビュー」に焦点を当てて説明していきます。

問題定義 (Problem Definition)
本来あるべき姿と現状のギャップを定義します。
問題定義が具体性に欠けたり広範な場合は、問題の絞り込みを行います。
report-document
問題分析・解析 (Analysis)
数値化によって各観点から事実を捉え分析します。
分析を踏まえ問題の発生原因の究明・検証などで解析を行います。
data-analysis
対策 (Actions)
問題解決のための課題を定め、それぞれに対しての対策を立案します。
課題や対策に対して優先度の評価をし、各対策のGo/NoGoの決定をします。
各対策案実施の評価方法と目標を定めます。
idea
効果の把握 (Measure)
各対策案の実施前と実施後の効果を把握します。
目標達成か否かを判定します。(達成→再発防止へ、否→問題分析・解析へ戻る)
Consulting Action

今回の解説対象となるステップ

再発防止・レビュー (Solutions/Review)
再発防止のための歯止めを行います。
checksheet

問題解決ステップにおける「効果の把握」の段階で、対策の有効性や問題解決が確認されたら「本来あるべき姿」に戻った(場合によっては近づいた)ということで、「めでたし!めでたし! シャンシャンシャン」といきたいところですが、我慢してもう少しだけお付き合いください。

再発防止

同じ原因を繰り返さないために!

ここまで、問題定義→問題の分析・解析にて問題の原因を究明することで、その原因に対しての対策をとってきたわけですが、これは発生した問題事象を元に戻したにすぎません。現段階ではこの問題発生に対しての予防措置は取られていません。予防措置をしないと、同じ問題発生を繰り返す可能性があるため、それを食い止める、あるいは発生の兆候を早期に気づくためのアクションが必要になります。この予防措置を一般的には再発防止(歯止め)と言います。

身近な例でいうと、医療がよい例です。
体調が悪くて病院へ行った場合、医師は問診や検査で「問題定義」し、さらなる検査や知識・経験を駆使して「問題分析・解析」(原因追及)を行い病気を診断します。そのうえで「対策」として投薬や処置・手術などの治療行為を行い「効果の把握」として経過観察し完治まで診察を続けます。
その症状への対処は完治によって「問題解決」ですが、病気の未然防止や早期発見を目的に定期的な健康診断が必要になります。この健康診断が「再発防止」(歯止め)として機能しているわけです。


「再発防止」(歯止め)を検討する際には、問題の原因となった事象をさらに分析・解析する方法もありますが、細かい分析をするよりも大枠で考え原因事象が発生しないよう対処した方が効率的かつ効果的な場合も多いはずです。まずは以下の5Mの観点から検討してみることをお薦めします。

  • Man(人物、組織、人材、作業者など)
  • Machine(機械、装置、システムなど)
  • Material(部品、材料、資材、用具など)
  • Method(作業手順、業務フロー、連絡手段など)
  • Money(予算、費用、投資など)

また、「再発防止」(歯止め)は、以下の分類のどれかに当てはまるはずです。

  • 変更
    作業標準、規定、契約、育成教育内容、業務プロセスなどの変更です。
  • 問題やその原因の発生要因の排除
    問題を起こしたりその原因となった作業、業務プロセス、取引関係などの排除の検討です。よく考えると必要のないことを習慣的に行っていて、そこで問題が起きているのかもしれません。不必要であれば排除しましょう。
    また、物理的やシステム的に原因事象を排除することが可能な場合も多いです。そもそもの原因事象が無くなってしまえば問題は起きないわけです。(いわゆる「バカ除け」的な発想です)
  • 監視
    排除や変更での再発防止が難しければ、先行指標やKPI(Key Performance Index)などでの監視をして、問題発生の兆候を早期に感知することが必要です。

レビュー

組織強化・人材育成のために!

問題解決の活動全般を通して、組織や個々のメンバーの成長を図ることも重要です。重大な課題がない限り多くの時間を割く必要はありませんが、次の問題解決やチームビルディングには欠かせないステップです。
レビューの際の主なチェックポイントを挙げておきますので参考にしてください。

レビューでのチェックポイント

  • メンバー各自が個人として新たに学んだことは何か?
  • チーム・組織として新たに学んだことは何か?
  • コミュニケーションはうまくいったか?
  • 活動は効果的だったか?
  • 活動は効率的だったか?
  • 今後への課題は?
  • メンバー各自が活動で満足感を得られたか?

※個人のレビューは必ずしも全員での共有の必要はありません。

まとめ

再発防止・レビューのステップについてイメージ出来たでしょうか?

これで一連の問題解決ステップについての説明は終了です。

問題解決の力はビジネスのみならず私生活においても常に必要とされるものです。仕事だけではなく自分のライフスタイルの質を向上し人生を豊かにしていくためにも、問題解決力をみがき続けることをお薦めします。頭でっかちにならないよう、説明を読んだだけでなく日頃から「問題解決のステップ」を実践していくことを期待しています。

以上