論理的思考 MECE(ミーシーもしくはミッシ-)

thinking

 

「MECE(ミーシーもしくはミッシ-)」という言葉を初めて聞く方も多いかと思います。
この「MECE(ミーシーもしくはミッシ-)」という内容を理解して、何かを考える際に習慣化していくことで、より効率的に、そしてより効果的な結果や結論、意思決定を得られると確信しています。

 

言葉の意味

MECEは英語の(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)の略で、日本語では一般的には「漏れなく、ダブりなく」と表現されています。

また、MECEは話し言葉としては「ミーシー」もしくは「ミッシー」と発音されています。
以降の説明ではMECEと表記していきます。

 

MECEの概要説明

MECEは「漏れなく、ダブりなく」の意味であることは判りましたが、イラストで表現すると以下のようになります。


黒枠線で囲まれた長方形が全体像を表現しています。
4つの部分集合が赤、青、緑、黄色で表現されています。

漏れありダブりあり を表す画像

左図は「漏れありダブりあり」の状態です。

白地で表されている「漏れ」があり、さらに赤青緑の重なりや黄色と緑の重なりで表されている「ダブり」があります。


漏れありダブりなし を表す画像

左図は「漏れありダブりなし」の状態です。

赤、青、緑、黄の「ダブり」(重なり)は無いものの、白地で表されている「漏れ」があり他の部分集合要素があることが想像できます。


漏れなしダブりあり を表す画像

左図は「漏れなしダブりあり」の状態です。

白地で表されている「漏れ」は無いものの、赤と黄および青と緑の重なりがみられ、それぞれの部分集合間で要素の「ダブり」があると考えられます。


漏れなしダブりなし を表す画像

左図は「漏れなしダブりなし」の状態です。

MECEの観点で最適化された状態といえます。






つまりものごとの全体像をとらえる際に、常に「漏れなく、ダブりなく」を意識して考えをめぐらす(思考する)ことが重要だということです。

 

MECEの重要性

MECEについて理解を深めよう

なぜ、この「漏れなく、ダブりなく」思考することが重要なのでしょうか?
この重要性について少し考えてみましょう。

 

身近な例

例えば、アンケートに答える場合や申請書類を記入する際に、どれにチェックを入れればいいのか迷う場合がありますよね。例を何点か挙げてみます。

例1

あなたの年齢は? 該当するもの1つ選んでチェックしてください。

□ 20歳以下
□ 20歳代
□ 30歳代
□ 40歳代
□ 50歳代
□ 60歳以上

これは一見、漏れもダブりも無いように見えますが、今20歳の人はどこにチェックしますか?
20歳以下、20歳代のどちらも当てはまりますのでダブりが生じています。

一番最初の選択肢は「20歳未満」とすれば「漏れなく、ダブりなく」の状態になります。
単純ですが、この類は生活の中でもよくある例かと思います。

 

例2

あなたの職業は何ですか? 該当するものを1つ選んでチェックしてください。

□ 会社・団体役員
□ 公務員
□ 教師
□ 医療従事者
□ 会社・団体従業員
□ 個人事業主
□ 学生
□ 主婦

この場合、無職の男性はどこにチェックしますか? また、個人で開業している医師はどこにチェックすればいいのでしょうか? など、漏れもありダブりもあるため、多くの疑問が浮かびます。
この例は、選択肢に職制や職種、業態などが混在しているうえ選択肢に漏れも多い例です。
この問いかけの作成者は、この一つの確認事項でいろんな観点を確認したがっていたため、このようになってしまったと想像できます。

何を確認したいのか、集計時何で分類したかったのかが明確でないために起きた混乱です。

 

例3

あなたの性別は? 該当するものにチェックをお願いします。

□ 男
□ 女

この例は、生物学的・戸籍上の性別を問うものとしてはMECEの観点では「漏れなく、ダブりなく」になっています。ただし、昨今の世の中の動向としては答える側のジェンダーの観点からの意志を配慮して選択肢に「□ 答えたくない」の項目が用意されている場合が増えてきました。

MECEの話からは少しそれたかもしれませんが、最近の動向として紹介させて頂きました。


この様にアンケートや申請書類にちょっとした漏れやダブりなどがあるだけで回答数が減ったり、再確認の仕事が増えたりで後々の結果に大きな影響が及ぶことが理解できます。

これはビジネスシーンでも同じで、何かを考えたり実行していく場合に漏れやダブりがあると重大なミスにつながったり、期待した効果が得られなかったり、非効率な作業になったりすることを理解いただけると思います。

 

論理的思考(ロジカルシンキング:Logical Thinking)

MECEと同時によく語られる言葉に「ロジカルシンキング:Logical Thinking(以下ロジカルシンキングと表記)」というものがあります。

ロジカルシンキングとは、その名の通り物事を体系的に整理して筋道を立て、矛盾なく考える思考法のことです。ロジカルシンキングの考えで思考を進めるうえで、MECEの考え方は一つの重要な要素になっています。

これら(ロジカルシンキングやMECE)の思考法で謙虚に進めていけば、日頃目をつむって見ても見ぬふりしている事象やいつも避けて通っている事象なども必ず見えてくることになるため、より効果的な結果や結論、意思決定を得ることが可能になります。

ロジカルシンキングの全体像についてはこの記事では触れませんが、以下のような力量の向上につながる内容ですので、インターネット上の解説など一読してみることをお勧めします。

  • 問題解決力
  • 分析・解析力
  • 対応策・提案 作成力
  • プレゼンテーション力
  • 生産性(効果・効率)

 

まとめ

これだけは覚えておいて欲しい内容を以下にまとめておきます。

MECEについてのまとめ

「MECE{ミーシーもしくはミッシ-)」とは「漏れなく、ダブりなく」の思考法のことで、より効率的に、そしてより効果的な結果や結論、意思決定を得るために習慣化すべきものである。

以上